日々想うこと

日々想ったことを綴っています

2月27日 横浜の「山月記」みたいな話

以前も書いたが、中島敦という作家の代表作に「山月記」という文学作品がある。
詩人として名を成そうとした役人である主人公が、功をあせりついには虎となってしまうという話だ。
これは学生時代に国語の教材にもとり上げられていたが、私もこれと似た経験がある。
もっとも私の場合は功をあせったのは私ではなく、相手方だ。

1998年11月上旬、場所は山下公園。
石川町からほど近い郵便局で、単純作業のアルバイトをしていた。
その頃、昼休みに中華街へランチをとりにいくことが多かったが、毎日店を変えているにもかかわらず、毎回のように妙な男達に付き纏われた。
あるときは、先回りして、またあるときは後からついてくる。何をするのでもない、ただそばに来てこちらの注意をひくだけだった。
記憶にあるところでは、ある店でこちらが、イヤーフォンで英語の勉強をしているとニコニコしながら「デタラメに英語を聞いてもダメだよ!」などと言ったり、中国風のお粥の店ではわざと食事中にタバコを吸い始めて「大丈夫だよ!」などと言いだしたりする。

その日は、昼休みに弁当を買って山下公園に入り、海沿いに歩き出した。
すると、一人の男が私を確認し「アッ虎だ!」と言う。「虎だ!虎だ!お前は虎になるんだ!」といえば少し前に話題になったタイガーマスクだけれど、この日はそうではなかった。

それが合図だったのだろうか?
一人の言葉を皮切りにおそらく十人いや二十人いやもっといただろうか、10メートル、20メートル歩いても、周囲の人々が口々に「アッ、虎だ!」と言う。
しばらくしてその声は途切れたが、気分が悪くなった私はベンチで休んだ。
弁当を食べ終え、昼休みが終わりに近くなったので中華街の中を通って帰ろうとすると、
また周囲の人々が「虎だ!」と言う。
今度は少し余裕が出来、道を一本ずらしてみると「くそー」「チクショー」などという咆哮が聞こえてきた。

いまだにこの不思議な連中の正体はわからないが、郵便局の入り口に昼休みにバットを振っていた男がいたのが記憶に残っているが、大池公園の駐車場や希望が丘高校の早朝野球の中でも見かけた気がする。

山下公園へ行き、ベンチに座り楽しそうな子供連れの家族をみながら当時のことを思い出していると、例によってそばにいたアベックの男の方が「無理だよ!」などと言う。

無理などということは無い!
月が変わるので再度今年の目標。
この山月記の主人公のように、功をあせり心が獣のようになってしまった税金ドロボーみたいな連中の洗脳に負けずに、生活を立て直し、家庭を持つこと。

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